クラウドファンディング・ラボラトリでは
ユニークなクラウドファンディング・プロジェクト(案件)を
(主観的にではありますが)ピックアップ。
『一押しプロジェクト事例集』として、ご紹介しています。
今回は「ロケットストーブ」と呼ばれる、
ペレットなどを燃料にアウトドアでの調理や焚き火代わりに利用可能な
鋼管ストーブの製品開発プロジェクトです。
【事例第7号】
プロジェクト概要
ペレット鋼管ストーブ『ペレコ』の火をみんなの手元へ届けたい!
http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000039
1 | 国/都道府県 | 国内/愛知 |
2 | 運営サイト | kibidango |
3 | 調達型 | 購入型 |
4 | 業界/セクター | 製造/環境 |
5 | 掲載時期 | 2014年冬頃 |
6 | 目標設定額/達成金額/支援者数 | 500,000円 / 1,228,005円 / 73人 |
7 | リワードの金額範囲 | 2,500円~80,000円 |
8 | プロジェクトオーナー関連サイト | Facebookページ Youtubeチャンネル |
プロジェクトの目的
プロジェクトオーナーは、
「バイオマス産業都市」に指定されている愛知県大府市を拠点とし
環境にやさしいユニークな商品の開発販売、そして知財管理を行う
「LIFTOFF(りふとふ)」というユニット。
ちなみに、「バイオマス産業都市」とは、
地域の特色を活かしたエネルギーリサイクルを考え、
環境にやさしく災害に強いまちづくりを目指す町と認定された都市。
ペレット燃料をスマートに燃やせる、そして災害時などもしもの時にも使える
携帯ストーブ『ペレコ』を生産&販売していくための資金調達に
クラウドファンディングを活用したとのことです。
資金調達の用途
目標資金調達額として設定した50万円は、
初回ロットの生産に利用されるようです。
(→クラウドファンディング・ラボラトリの所感については、この先読み進んでください。)
リワード設定
リワードに関しては、完成したストーブ本体の『ペレコ』や
燃料となるペレット20kg(一般販売は2,000円)のプレゼントの他に・・
- 鋼管ストーブ開発のきっかけとなった
「とこなめ土管ロケットストーブ(常滑焼)」 - 「土管ロケットストーブ」を愛用する
コーヒー焙煎師の厳選したコーヒー豆 - 常滑焼の食器
愛知県大府は常滑焼の産地のそばです!
などなど、地元とコラボした特典も多数用意しています。
本プロジェクトの成功ポイント
その1:低価格層のリワードも用意
リワードを見ると、常滑焼の食器など
2,500円〜7,000円の価格帯が数種類用意されており、
これだけで合計約70,000円(目標の14%)の資金が集まっています。
メイン商品である『ペレコ』は
1点16,800円と、ストーブの価格としては高額でないにせよ
クラウドファンディングのリワード金額で
人気の支援金額帯(5000円~1万円程度)よりも高額。
こうした低価格帯のリワードも用意する事で、
より多くの支援者から資金を集める機会が増えます。
その2:積極的な発信
本プロジェクトと連動して、プロジェクトオーナーの方自ら、
YoutubeチャンネルやFacebookページが開設されており、
ロケットストーブの使用例など、動画も含め多数紹介しています。
また、プロジェクトの活動報告ページでも
開発秘話やイベントの様子を随時紹介しています。
(合計41回の活動報告あり)
活動報告を見ると、
YoutubeやFacebookページで『ペレコ』を知った方が
実際に見てみたいとイベントへ参加したり、支援してくれたり・・
といったケースも多いようです。
単にプロジェクトを投稿してひたすら待つだけ、でなく
こうした支援者や支援候補者とのコミュニケーションをとることで
製品に関するフィードバックも得ることができる、など・・
積極的に活動発信を行なう事が、
プロジェクトの成功にも繋がった良い事例だと思います。
が、ちょっと残念な点・・・
1.資金の用途
目標資金調達額を50万円と設定したその理由として、
初回生産ロットに必要だから・・ということですが、
できればその根拠を提示してほしかった、というのが
クラウドファンディング・ラボラトリの所感です。
なんで50万円が必要なんだろう?
・・・というところに疑問が残ります。
サポーターの立場からすると、
単にリワードが貰えるから、ということで支援するのではなく
せっかく支援するなら、自分の支援したお金が何に使われるのか、
もう少し具体的に知りたいと思うのが心情なのではないでしょうか・・・
2.2回目の挑戦は、如何に?!
実はこのプロジェクト、
2015年に入ってから第2回目の挑戦をされてます。
http://kibi-dango.jp/info.php?type=items&id=I0000032
しかし、この時も残念ながら、
目標設定額80万円の内訳が具体的にわからない!
1回目とは異なる、改良型モデルを先行生産する為とはいえ・・・
何で80万円なんだろう?というところが疑問です。
そして、2回目の挑戦の結果は・・・
残念ながらその目標設定に達することなくプロジェクトを終えた様子です。
このプロジェクト、コンセプトやストーリーもしっかりしているし、
ペレットストーブ自体の金額も手頃だったのですが・・なんとも残念です。
まとめ
本プロジェクトは目標の246%という
大幅に目標金額を超える資金調達に成功し、
無事製品化に成功しています。
リワードの中でも
『ペレコ』のプレゼントに50名の支援が殺到している事から、
製品そのものへの期待も大きかったのではないでしょうか。
プロジェクトオーナーのLIFTOFF(りふとふ)さんは
その後もFacebookなどで積極的に発信されているので、
プロジェクト終了後にどう活動していくか?という点でも
参考になるのではないかと思います。
2回目の挑戦は残念な結果に終わってしまいましたが、
今後の展開に、注目したいです。